保育士なら必ず一度は悩む退職希望の伝え方

2022.07.28

退職を考える理由

保育現場では楽しい職場で長く続ける人も多くいますが、実際は「保育士の仕事がきつい・つらい」「保育士を辞めたい」と思っている方も多いでしょう。 1カ月たたないで辞める方も少なくありません。

もしかすると、あなたも保育士の仕事をされていて、辞める理由を考えていたり、周りの先生にどう伝えればいいか、園長先生への切り出し方を考えているのではないでしょうか。

私は実際に保育士をしていました。「辞めます」「転職します」と園長先生に伝えることはなかなか言いづらいですよね。

職場の人間関係や仕事量の多さを理由に辞める方も多いようですが、今回は、私の実例や実際に保育士さんが考える退職理由、そして伝え方を紹介していきます。

人間関係がうまくいかない

先生同士の関係や保護者への対応が苦手というところがあると思います。保育士はどうしても狭い人間関係の中で仕事をしているため、苦手意識が出てしまうと気を遣い、働きづらくなってしまいます。

仕事量が多い

保育士は子どもを保育するだけではなく、事務作業も行います、また園によっては書き物が多かったり、装飾などに力を入れているところも多くあります。保育時間外で家に持ち帰り仕事をすることもあるのではないでしょうか。

給料が安い

仕事量に比べて給料が見合っていないというところです。私の勤めていた園は、給料の面で退職を悩んでいる方がほとんどでした。これからの事を考えると不安を感じ、辞めていく保育士も多いです。

体力がもたない

子どもを保育するにあったて、外で遊んだり、行事になればたくさん動くので力仕事が多くあります。また、時間外労働が多く、残業したり家に持ち帰って作業をするため疲弊していきます。

私の場合は、保育士をするということは園児と楽しく過ごすことはもちろんで、外に出て遊ぶ時間もあり、行事の準備や製作物があるというのはわかっていたので割り切っていました。

退職理由の伝え方・タイミング

退職の伝え方、タイミングは園によって違います。私が働いていた園では、年に2回の聞き取りがありました。

園長先生、主任先生との面談があり、その時に来年度も続けるかどうかを聞かれていました。

特別な理由がない限り年度途中の退職は言いづらいこともあり、私が勤めてきた間は誰も途中退職はありませんでした。

どんな理由であれ、まずは自分の意志を伝えることが大切です。

伝え方としては、まず一番相談しやすい先生がいる場合はその先生に伝えてみるのも一つです。

その後、「少しお時間いただいてもよろしいでしょうか」など聞き、しっかりと話ができる時間をとってもらい、主任先生や園長先生へ退職の意志を伝えましょう。


また、退職理由を聞かれた際に突発的な嘘をついてしまうのはやめましょう。

深堀りされると必ず返答が出来なくなります。退職を考えるのには何か理由があると思います、しっかりと自分の意思を伝えましょう。

一番良いタイミングとしては、遅くても秋頃には伝えた方がいいですね。来年度の保育士募集の人数に関わってきます。

もしも年度途中で退職する場合は、行事を控えている時期は避けたほうが良いと思います。

他の先生達が余裕のある時期の方が子ども達の引継ぎがしやすいです。

また急な退職の場合は子ども達も戸惑いますし、保護者からも不信感を持たれてしまいます。

退職までの準備

まず第一に子どもの引継ぎがあります。引き継ぎ期間は1か月ほどあると良いです。年度末退職はクラス替え発表後に保育士同士で前年度の園児を引き継ぐので、スムーズに引き継ぎできます。


途中退職の場合、引き継ぎが難しいです。行事を控えている場合なかなか時間がとれないので、その場合は指導要録があればそのまま引き継ぎ、また細かく病歴や食べ物の好き嫌い、性格的な特徴をまとめて後任担当者に渡すと良いでしょう。

退職の実例

保育士を辞めるという考えに至るまでにはいろいろな理由があると思います。  私の働いていた園では、やめる理由が言いづらかったので、何とか円満退職になるように先生達で相談しながら理由を探していました。なので、実際にあった保育士さんの退職理由を詳しく紹介していきます。

1.家庭の事情で辞めるケース

 ・来年には結婚する予定のため

 ・家を引っ越すため

予定ではありますが、相手がいる先生だと職場に言いやすい退職理由ですよね。家を引っ越すというのは、こちらが何とかできる問題ではないので家庭の事情などは引き止めにくいです。

2.次の転職先が明確に決まっているケース

 ・サッカー関連の仕事がしたい

 ・テーマパークのスタッフになりたい

 ・絵を描くことが好きでイラストレーターになりたい

 ・運転することが好きなので、運転手になりたい


保育士をしていると、子ども達や周りを笑顔にするといった共通点から広いところでチャレンジしたくなる先生も多くいます。

もともとサッカーなどスポーツを習っている人だと、少しでも体を動かしたり運動系に近い仕事をしたくなるんですね。今はスポーツでもキッズスクールなどもあるので、そっちの仕事に転職される方もいます。

絵を描いたり製作物を作ったりすることが得意だと別の視点に切り替わり、そういった仕事に就いてみたいという先生もいました。実際に園長先生に理由を伝えたところ引き止められていました。園長先生はいろいろなことを経験してきたからこそ現実的に厳しいという考えから答えを出していました。

3.自分の趣味があり、集中したいケース

 ・バックパッカーになりたい

 ・留学したい

 ・ジャニーズが好きなので追っかけていきたい

自分の趣味に没頭していきたい気持ちが辞めるという理由につながり、趣味に時間を作れるように転職先を探す保育士もいました。このパターンはあまりないケースかと思います。

ただ、趣味などがあると、休みの日に身体もリフレッシュするので、保育をするにはいい切り替えができると思います。

 

保護者・子どもへの伝え方

私の園では毎年年度末にお別れ会というものが開かれ、その時に退職する先生は保護者と子ども達に感謝を伝えたり、お別れの言葉を言っていました。また、個別で挨拶をしていました。

保護者はなぜ辞めるのか、次は何をするのかなど気になります。きちんと自分の意志を伝えれば納得してくれます。

途中退職の場合、説明がないと保護者の不安や不信感にもつながっていくため、できるだけ自分の意思をしっかりと保護者にも伝えてあげてください。園によっては、こんなふうに言ってと言われるところもあるかもしれません。

子ども達にとって先生が辞めていなくなることは寂しいものです。

また保護者にとっても先生との信頼関係があるほど、急に担当が変わるというのは不安です。

退職の伝え方については、必ず園長先生や主任先生に相談と確認をしましょう。

そして最後まで子どもたちには、これまでと変わらない笑顔と態度で接してあげてください。

退職に必要な書類

退職願または退職届を提出しましょう。園長先生に退職の意向を伝えた後、退職願を出してくださいと言われるケースもあります。私は園長先生から〇〇までに提出してねと言われたのでその期日までに提出しました。

・健康保険証

退職したあとは新しい職場の社会保険または国民健康保険へ加入しなおすので、保育園から交付されていた健康保険証を保育園へ返却します。
事務の方がいる場合は基本伝えてくれると思います。

・業務資料

保育園に関係のある書類などは、全て保育園へ返却しましょう。

園児や保護者の個人情報がわかるような資料も忘れずに返します。

・社員証

IDカードなど、保育士さん自身を証明する書類などがあれば、全て返却する必要があります。

・備品

保育園で共有の文房具用品やパソコンなど、保育園から借りていたものは全て返却します。

私は幼稚園で勤めていたのですが、あまり返却するものはありませんでした。今までの園児の出席簿や指導要録記入ノートがあったので幼稚園に返却しました。記録としてずっと園で保管されています。

退職してから転職活動するまで

私は年長組を担任していたため、小学校への引継ぎや準備などで、なかなか働きながら転職活動をすることが難しく、退職してから転職活動しはじめました。

退職してから少しリセットする期間が欲しかったので、ゆっくり転職活動をしていました。

保育士をしている人は、子どもが大好きな人ばかりだと思います。

私も子どもが大好きなので退職理由として保育士が嫌だという考えはありませんでした。

働くのが辛かったりしんどいのは保育士だからではなく、今働いている保育園の環境が合っていないだけかもしれません。

その場合は、保育士を辞めなくても、別の保育園へ転職することで解決する可能性もあります。

転職を希望する理由によっては、また別のところで保育士を続けてみるのも一つだと思います。

実際に仕事を始めてみると、転職先が合わないと思うこともあるかもしれません、そのたびに辞めていくと周りの人達にも迷惑がかかります、自分の将来のためにもきちんと考えて転職先を選ぶようにしましょう。

また、退職を考えているうえで、自分のやりたいことをだいたいにでも絞っていくと転職先が明確になりやすいです。

保育士退職経験

私は幼稚園を退職してからも、園に遊びに行くことがあります。

現場にいるとどうしても不満に思うことや、嫌なことが目につきがちでした。

ただ離れてみることで、園全体の良さや、実際働いていた時には感じれなかった思いも感じられるようになっていました。

保育士をしていた頃は子ども達がいるから頑張れるというモチベーションでした。

子どもを預かるということは責任感がいります、責任を重く感じる方もいるかもしれません。

しかし、それとともに信頼関係がつくられていきます。

子ども達とも保護者とも信頼関係が出来てくると、とても充実感がうまれ、自分にも自信がついていきます。

退職するときは新しく再スタートという気持ちで心がスッとします。

それと同時に楽しかったことしんどかったこと悔しかったことすべて含めて寂しい気持ちにもなりました。

保育士として働いていると、子どものこと保護者のこと職場の先生のこと、いろいろな状況に出くわすと思います。   

今改めて思うことは、そういった状況を経験していくとで自分の強みになっていたり、いつかは自分のスキルになっているんだなと感じています。

まとめ

今回は私の実例も入れながら保育士なら必ず一度は悩む退職希望の伝え方をご紹介しました。

退職するまでに不安な気持ちがあると思います、実際に伝えたときにどんなことを言われるのかなど気になります。

伝え方や自分の意思がしっかりとあれば相手へは伝わります。

退職の意向を伝えた後は少し気持ちが楽になりますよ。保育士はやりがいがあります、何より子ども達が一番です。

子ども達や保護者は先生の雰囲気や明るさ楽しさを感じ取っています。先生自身が楽しむことはとても大切です。

そのためには我慢せずに少しでも身近な人に相談してみてください。

退職を決断したら次に向かって新たに進んでいける第一歩です。新しく再スタートできるように勇気を出して一歩踏み出してみて下さい。

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