認可保育園と認可外保育園(無認可保育園)の違いとは?

2022.12.15

認可保育園と認可外保育園(無認可保育園)の違いは?

保育園を探す際に、認可保育園・認可外保育園(無認可保育園)という言葉を目にしますよね。でも、具体的にどんな違いがあるのか、どちらの保育園を選んだらよいかなど、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。

「認可」と「認可外(無認可)」。この両者の違いを理解しておくと、保育園選びのときに迷いが少なくて済みますよ!

 

認可保育園とは?

認可保育園は、児童福祉法によって定められた基準をクリアした保育園を指します。法律によって、園児の人数に対する保育士の人数、保育室や園庭などの面積、必要とされる設備などが定められており、それらをすべて満たしていることが条件です。

 

ある程度の敷地面積が必要なので、駅から少し離れた場所にある場合が多いでしょう。

また、国の基準を満たしているため、全国一律で一定の保育水準が保たれているといえますね。

 

認可外保育園(無認可保育園)とは

認可外保育園とは、認可保育園に該当しない保育園=国の認可が下りていない保育園を指します。

国の基準を満たしていないと聞くと不安に思われるかもしれません。しかし、カリキュラムや人員配置、設備など、保育にふさわしい環境を提供できているかを確認するため、定期的に都道府県が立ち入り調査をしているので、安心してくださいね。

 

認可外保育園の大きな特徴は、保育料や提供する保育サービスの内容を、園が自由に設定している点です。園独自のカリキュラムに沿って、英語教育やリトミック、体操などを取り入れているところも多数あります。そのため、国の基準を満たしていても、あえて認可外として運営している保育園もあります。

 

子どもにどのような教育を受けさせたいかが明確に決まっているなら、認可外保育園を中心に保育園探しをするのもおすすめです。

 

保育料

それでは、認可保育園と認可外保育園の保育料に違いはあるのでしょうか。

 

認可保育園の保育料

一般的に、認可保育園は自治体から補助金を受けているので、保護者の保育料負担額が低くなりやすいのが特徴です。そして以下の項目によって、具体的な保育料が決定されます。

 

  • 認可保育園がある市町村や区
  • 世帯の所得(所得割課税金額
  • お子さんの年齢及び人数
  • 保育時間

 

例えば、預ける子どもの人数が増えると、家庭の保育料負担額は大きくなりますが、ふたり目以降は負担額の軽減措置が受けられる場合があります。

また、両親ともにフルタイムで働く家庭の保育標準時間(11時間)と、片方の保護者がパートタイムで働く家庭の保育標準時間(8時間)でも、基本となる金額が異なります。早朝保育・延長保育を受けたい場合は、さらに負担額が大きくなります。

 

認可外保育園の保育料

認可外保育園は、保育サービスや保育料を自由に設定できるため、負担額は一律ではありません。さらに、自治体から補助金を受けている園と受けていない園があるので、認可外保育園の中でも保育料に大きな差が見られることもあります。

以上の理由から、認可外保育園は保育料負担額が高くなるのが一般的です。

 

設置基準(「職員配置」、「面積」の基準)

保育に当たる保育士の数や保育室等の面積は、国によって明確に定められています。

そして、認可保育園は、これらすべての基準を満たしているのが条件です。

 

認可外保育園は、保育士1人が保育できる子どもの人数に関しては国の基準を満たしていますが、施設の面積の基準が緩く、認可保育園より相対的に狭い場合があります。

 

職員配置基準

  • 0歳児…保育士1人あたり、園児3人
  • 1,2歳児…保育士1人あたり、園児6人
  • 3歳児…保育士1人あたり、園児20人
  • 4歳児以上…保育士1人あたり、園児30人

 

このほか、調理員(外部委託可)や嘱託医は必置されることが条件です。

 

面積の基準(0,1歳児)

  • 乳児室…園児1人あたり、1.65㎡以上
  • ほふく室…園児1人あたり、3.3㎡以上

(※ほふく室…歩行前の乳児がはいはいできる部屋)

 

面積の基準(2歳以上児)

  • 保育室…園児1人あたり、1.98㎡
  • 屋外遊技場…園児1人あたり、3.3㎡

 

無償化の範囲

幼児教育の無償化は、2019年10月から始まっています。

これにより、小学校入学前の3年間に限って、幼稚園、保育所、認定こども園、地域型保育、企業主導型保育の利用料が無償となりました。

また、住民税非課税世帯については0~2歳の保育料も無償化されています。

 

認可保育園は、すべての施設利用料が無償化。認可外保育園の場合は、上限が定められており、月3.7万円まで無償です。

 

無償化されるのは「施設利用料」に限定されており、入園金や制服、送迎費、食材料費、行事費などは、無償化の対象外です。保育に関わるすべての料金が無償化されたわけではないので、注意してください。

 

公立保育園と私立保育園の違いは?

認定保育園は、さらに公立と私立に分けられていることをご存知でしょうか。

この両者の違いは、運営者によるものです。詳しくは以下で説明します。

公立保育園

公立の保育所及び認定こども園は、市区町村によって設置・運営されています。そのため、職員は基本的に地方公務員です。

 

近年では、保育運営費を削減するために、地方自治体が公立保育園の民営化を進める動きが活発です。そのため、設置も運営も自治体が行う「公設公営」の園は相対的に数が少なくなってきています。

私立保育園

公立保育園に対し、私立保育園は、社会福祉法人や株式会社、NPO法人などが運営している園をさします。

この中には、公立保育園を民営化し、私立保育園として運営されている「公設民営」の園も含まれます。

 

保育料の違い

認可保育園の保育料は、公立保育園、私立保育園でも基本的に同じと考えてください。ご家庭ごとに、お住まいの地域、子どもの年齢や人数、世帯年収(所得割課税金額)によって保育料が算出・決定されます。

 

公立保育園の特徴、私立保育園の特徴

公立園と私立園は保育料は同じでも、教育内容やサービスに違いが見られます。ご家庭の保育に対する考え方や、お子さまの性格に合った保育園を選んでみませんか。

 

公立保育園

公立保育園は、自治体によって運営されています。そのため、保育カリキュラムや目標などが標準化されていて、すべての公立保育園において、提供される保育サービスに大きな違いは見られません。

 

また、公立園で働く保育士は地方公務員のため、職場環境が安定しています。そのため、私立園と比べて、ベテランと呼ばれる方が多く働いているのも特徴です。

 

公立園は比較的広い園庭を所有していることが多く、園の敷地内で子どもたちがのびのびと遊ぶ様子が見受けられます。地域の子どもたちのために園庭開放を行っている園もあるので、入園前に足を運んで、園の雰囲気を実際に感じられるのも魅力的ですね。

 

私立保育園

私立保育園は、民間団体が運営してる園をさします。そのため、園によって、保育内容や教育の目標、カリキュラムが大きく異なります。

保育園によっては制服やカバン等が指定の場合があり、入園時にかかる費用が公立より高額になるため、注意が必要です。

 

私立園に通うメリットとして、保護者のニーズを組んだサービスを多く提供しているという点があげられます。

例えば、早朝保育や延長保育の希望に対して柔軟に対応してもらえる、お迎えが遅くなる園児に夕飯前の補食を提供してくれるといった園もあります。

保育園から職場が遠い方や、繁忙期のみ早く帰れないといった悩みを抱える保護者の方には、ありがたいサービスですよね。

 

そのほかにも、非常勤職員の数を増やすことで保育の効率化をはかる、受け入れる園児の人数を増やすなど、地域の待機児童を減らす役割も担っています。

保育園の認可と認可外、公立と私立の違いのまとめ

保育園には、

  • 国の認定を受けて運営している認可保育園
  • 独自の保育カリキュラムで、個性豊かな保育を提供する認可外保育園

があることがわかりました。

 

また、認可保育園は、公立園と私立園に分けられ、

  • 自治体によって運営されている公立園
  • 民間団体によって運営されている私立園

がありましたね。

 

公立園と私立園では、保育料に差は見られないものの、私立園で提供される保育サービスには園の個性が反映されている、ということもわかっていただけたかと思います。

 

実際に保育園を選ぶ際は、実際にかかる保育料や、家から保育園までの距離、提供される保育サービスの内容など、検討したい点が複数あります。

ご家庭ごとに、重視したいポイントは異なるもの。ご家族みんなが納得し、お子さまが安心して通える保育園を選びましょう!

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