子ども達が引きつけられる製作活動方法をご紹介します!
保育士として働くうえで、避けてはとおれないのが製作活動。
製作活動は子ども達にとっても楽しい活動の一つです!
そこで、今回は「子ども達が引きつけられる製作活動の言葉掛けや環境」をご紹介します!
製作をする時は必ず保育者が一緒に付き添って活動を行いますよね。のりやハサミを使う為、安全な環境が必要です。
子どもは自由に遊ぶことが大好きです。製作活動でも同じく、制限され製作は面白味がありません、子どもの独創的な発想を育み製作活動で必要な物をそろえた環境設定や、子ども達への配慮が必要になってきます。
目次
年齢別の活動
年齢によってできることが異なります、そのため活動の内容も変わってきます。
1歳児
【丸める・握る・つぶす】
シールを貼ったり指スタンプをしたり指先を動かす活動がほとんどです。手先を使った活動をいれて、紙粘土に色を付けて握るなど、かわいらしい作品になるように工夫をして作っていました。
2歳児
【描く・ちぎる】
手先を動かすことが楽しくなり、自由に絵を描くことを楽しむ年齢です。新聞や折り紙をちぎってちぎり絵にしたり、貼って楽しむ活動もできます。少しずつ指先も発達しているのでビーズをペットボトルに入れてスノードームを作ったりしていました。
3歳児
【描く・貼る】
物や人を見ながら絵を描くことが出来るようになってきます。徐々に好きな絵が描けるようになってくるので、最初は分かりやすいお顔から描いてみる活動をしていました。「お顔の目や鼻や口は何色かな~?」と問いかけながら色の認識もできるように声掛けをしていました。新聞を丸めて人形を作って顔を書いたりしていました。
4歳児
【描く・貼る・切る】
自分で考えイメージしたものを作れるようになってくる年齢です。やってみたいという気持ちが強く、いろいろなことに興味や関心が向き始めます。いろんなことに挑戦できるような環境づくりがあると、子ども達の発想力や創造力がグンと伸びてきます。廃材や使わない用紙などを置いておくと自由時間に子ども達で好きな物を作っていました。
5歳児
この年齢になると、自分の頭の中で何が作りたいか、作る為には何が必要かなどを、考えて描いたり作ったりできるようになります。得意不得意はありますが、自分を表現できる作品が作れるようになっています。
この学年では箱庭を作り、自分の好きな部屋やお店をいろいろな廃材で工夫しながら作っていました。
細かい作業もできるので、個性あふれる作品が作られていきます。
製作活動のねらい
1歳~2歳
・指先を動かしながら形や色を認識する
・身近な材料を使って工作をする楽しさを知る
・身近な素材に興味を持つ
・友だちと製作をする楽しさを感じる
3歳~5歳
・道具の使い方を学びながらさまざまな動作を身に付ける
・製作を通してさまざまな色があることを知る
・自分でイメージを膨らませて表現する楽しさを知る
・自分で考えたデザインを形にする楽しさを知る
・自分の思いを伝え合い、友だちとやり取りしながら工作を進める。
製作の説明をする前に準備しておくこと
製作の流れを把握する
はじめに製作で作るもののテーマを決めておきます。
そのあとに製作の活動内容を書き出し、全体的な流れを把握しましょう。
指導案のノートに活動の具体的な内容を書いて残しておくと、今後にも役立ちますよ。
子どもの活動と保育士の活動を分ける
活動の流れをき書き出したら、そのなかで「子どもの活動」と「保育士の活動」にわけます。
そのとき、製作を行う子どもの様子をイメージし、どんな風に取り組めば楽しめるか、どういった言葉の援助が必要かを具体的に考えイメージし、スムーズに取り組むことが出来るように準備しておきましょう。
子どもへの説明の仕方を考える
子どもが行う活動を分かりやすく説明出来るように内容を考えます。
どんな風に伝えればわかりやすいか、子どもの年齢にあわせて伝えることが大切です。
低学年だと、より具体的に説明しなければなりません。大人の理解力と子どもの理解力は違うので、かみ砕いた説明が必要です。
製作の説明をするときのポイント
完成形を見せる
製作するものの完成形を一つ作っておきます。子どもたちに完成形を見せながら説明をしてあげましょう。
子ども達がどんなものを作るのか具体的なイメージをもつことができるので、見通しをもって取り組むことができます。
年齢に応じて、完成しているものを見せながら作る場合もあれば、初めにお手本を見せて覚えるように声を掛け、作り始める時はイメージや想像力を育めるように自分でイメージを膨らませ製作をするような取り組みをしていました。
子どもに問いかけて興味を引く
説明のなかで子どもに問いかける場面を作ると、興味を引きやすく、子ども達の中で創造力が膨らんでいきます。
ただ先生が話すだけでは、子どもたちが途中で飽きてしまうこともあるかもしれません。
「どんな色だろう?どんな形だろう?何がついているだろう?」といった問いかけをすることで、子どもが興味をもって説明をきくようになります。
子どもの活動についてお手本を見せる
子どもがやる工程は、実際に先生がお手本を見せて説明すると、より分かりやすくなり子ども達にとって製作しやすくなります。私は、通常の大きさより2倍ほど大きなサイズで見本を作って子どもたち全員がわかるように見せて説明していました。
また、ホワイトボードや黒板がある場合は、前に製作の手順を順番に貼って、分かりやすいように並べて説明していました。
保育士の実例
私は幼稚園で保育士をしていました。
私の勤めていた幼稚園では毎年1年に1回絵画展があり、絵画や作品を飾って部屋を装飾していました。
そんな製作活動の際に、スムーズに活動が出来るように工夫をしながら取り組んでいた方法をご紹介します。
テーマをみんなで考える
製作をするには、まず何を作るのかを考えなければなりませんよね。
季節や時期によって製作の内容が変わってきますが、普段の保育の中で製作活動をする時などはみんなで何を作りたいかを考えていました。子ども達の興味や関心があるものが作っている時楽しかったり、想像がしやすいため、みんなで何を作りたいか質問することも多くありました。みんなで決めると協調性もうまれます。
絵画展では絵本のお話がテーマだったので、みんなに絵本のお話の中で何が好きかを聞いて、みんなで納得したうえで取り組んでいました。
一緒に取り組むことを楽しむ
子ども達が自分で考えて取り組むことも大切ですが、保育士も一緒になって子ども達と取り組むことで、子ども達にとって「しんどい、つかれた、飽きた」などのマイナスな感情がなくなり、製作は楽しいという概念にかわります。先生も子ども達と同じ温度で楽しむことも大切ですよ。
得意・不得意はだれにでもある
みんなでつくると楽しい製作ですが、中には苦手な子もいます。
それぞれ個人差があり、保育していると一人ひとり活動のスピードが違うと感じたことがあるのではないでしょうか?
楽しい環境で活動することと、その子にあったスピードで取り組んであげることも大切です。
活動の時間内に終わらないこともあると思いますが、なかなか終わりが見えない子どもには選択肢を与えるようにしていました。
きりのいいところまでやるか、いったんやめてみんなと同じ活動に取り組めるようにするのか聞いていました。
年中年長になると自分で考えたり、周りを見て行動できるようになっているので、活動時はみんなで一緒に取り組むことが出来るように心がけていました。
製作中の注意点
ハサミには要注意
ハサミを使う時は必ず保育士がそばにいる時だけにしましょう。
使い方が上手な子でも、何があるか分かりません。手を切ってしまう子もいれば、髪の毛が長くて一緒に切ってしまう子、服を切ってしまう子など様々です。見ていなかったという状況がないように気を付けましょう。
誤飲に気を付ける
高学年になると、ある程度自分で危険などを判断できるようになっていますが、乳児は危機管理能力が低いため、何でも口に入れたりする行動があります。小さいビーズなどは分かりにくいので特に気を付け、危ないものは、子どもの手の届かない場所に置いておきましょう。
まとめ
説明をするときは、やり方を言葉で伝えるだけでなく、問いかけをして興味を引いたり、完成形を見せて子どもがやることのイメージをもてるようにしたりと、さまざまな工夫をすることがポイントになります。
活動がスムーズにできるように考えながら取り組むことも大切です。
子ども達が手持無沙汰になる環境がないように心がけましょう!