子どもの好き嫌い、食べない理由を保育士が対応方法と一緒に伝授!
幼児期の子どもは好き嫌いがはっきりしてくるため、毎日の食事に悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。
私は実際に幼稚園で保育士をしていました。幼稚園では自園給食とお弁当の日があり、お弁当の日は比較的に子ども達の好きなものを入れてくださっていたり、親御さんが工夫をされてお弁当をかわいくして持ってくる事が多かったです。
反対に、給食の日では子どもの好き嫌いがはっきりしていて、残すことも多くありました。
今回は、子どもが食べ物の好き嫌いをする理由や進んで食べたくなるような対処法などをご紹介します。
目次
好き嫌いがなぜ出てくるのか
味覚には甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の5つがあります。
子どもは味覚が敏感なので、大人よりも野菜を苦く感じたり、果物を酸っぱく感じます。
園児の中には年中さんで炭酸飲料などの刺激を辛い刺激と思い辛い辛いと表現する子もいました。
甘味はほとんどの子どもが好みますが、酸味や苦みはあまり慣れていないので苦手な子も多く好みが分かれます。
子どもは初めての経験をたくさん積み重ねて成長をしていきますが、食事も同じです。
嫌いだから食べないのではなく、その味にまだ慣れていないということも理解しておきましょう。
好き嫌いの原因
食感が苦手
食べ物を口に入れた時の感じ方は、子どもによってさまざまです。繊維質が多くて噛み切れない、パサパサしていて飲み込みにくいと感じることで、好き嫌いにつながることも。リンゴのシャキシャキとした食感が苦手な子どもがいれば、納豆のネバネバが苦手という子どももいます。
見ためが嫌
大人でも見たことがない食べ物を口にするのは勇気がいります。子どもも同じように、色合いが悪い、嫌いな食感を連想させるといった見た目で、食べ物の好き嫌いを決めてしまうことがあります。
過去のトラウマ
過去にその食べ物を口にしたときに、熱かった、酸っぱかった、口の中をかんだ、骨が刺さったなどの不快な経験をすると、好き嫌いにつながることもあります。また、食後に気持ちが悪くなった、おなかをこわした、熱が出たなどの体験もトラウマになりがちです。
食べってもらえるような対処法
楽しい安心できる食事環境
子どもだけでなくきっと大人も同じだと思いますが、楽しく食べることを優先させましょう。
食事の時間は家族みんなで集まって食べ、会話を楽しみながら笑顔で食事することを心掛けましょう。小さな時から味覚に擦り込まれた味に対して楽しかった記憶や安心感を覚え、それをおいしいと思うようになります。「おふくろの味」と一緒ですね。
「みんなで食べると美味しいね!」など楽しい言葉掛けをしてあげることで、食事をすることが楽しい、また安心感に変わります。
見た目を工夫
食事は味も大切ですが、見ためも大切です。それは大人も同じですよね。まず目に入るものが興味をひく形や見た目だと食べてみたいという気持ちになります。
食材を星形やハート形に切ったり、かわいいピックを使ったりすることで子ども達は楽しく食事をすることが出来ます。
キャラ弁というものがあるぐらいお弁当のバリエーションは様々です。あまり細かい飾りつけになると親御さんの負担にもなります、今では簡単にかわいく飾り付けが出来たり、かわいい形に変えることのできる商品も出ているので、試してみるのもいいですね。
褒めてあげる
好き嫌いせずに食べられたという時はもちろんですが、苦手な食べ物を挑戦できた時は最後まで食べきれなくても、挑戦したことを褒めてあげましょう。
褒められることで「挑戦した」「少しでも食べられた」という小さな達成感を積み重ねていきます。
子どもは褒められることでだんだんと自信にかわっていきます。
自分たちで栽培する
幼稚園では学年に合わせて、植物を育てたり、季節に合わせた野菜を栽培していました。
栽培は子ども達にとってワクワクするものです。毎日自分で水をあげることで愛着もわいてきますよ。
幼稚園ではどんどん実が大きくなる変化を写真に撮り記録に残したりしながら、子ども達と野菜の成長を。ワクワクしな楽しみながら観察していました。子ども自身が 実を収穫して味わえば、その野菜が好きになるかも しれませんよ。
やってはいけないNGな対応
全て濃い味付け
ドレッシングは素材本来の味を隠してしまうので小さなお子さんには避けた方がいいでしょう。味覚は3歳までに決まると言われていますが、この時期に調味料に慣れてしまうと、大人になっても濃い味を好むようになります。
無理やり食べさせる
無理に食べさせてしまうと、その行動が子どもにとっては怖いという気持ちになり恐怖感を与えてしまします。そうするとトラウマに食べることへの拒否につながります。
嫌いな食べものを出さない
好きな物をずっと食べていると、だんだんとその習慣に慣れていき、大きくなってからが大変になってきます。苦手な物も取り入れていくことで、まんべんなく栄養が届き子どもの成長につながっていきます。
甘いものが多くなる
おやつやデザートでおなかが満たされてしまうと、大事な食事がおなかいっぱいで入らなくなります。また偏りが出てしまうことで偏食にもつながります。
食べないことを叱る
食事中に怖い顔をしていては、おいしく食べられないばかりか不安が大きくなります。食べないことを叱るのではなく、食べることが出来るように促す言葉掛けをしてあげましょう。
保育士が実例をご紹介
だんだんと味がわかってくるようになると、口をなかなか開けなかったり、口に入れても吐き出したり、ずっと口の中でもぐもぐしたまま飲み込まなかったり、様々な姿がみられるかと思います。
特に、2歳頃はイヤイヤもあり、なかなか苦戦する時期です。食事に関していろいろな姿がみられる園児のいくつかの実例をご紹介します。
2歳頃は味もわかるようになっているので、好き嫌いがだんだんと出てきます。親御さんにとってお弁当やご飯はできるだけ食べてほしいというのが本音だと思います。
その為、お弁当の日などは好きな食べ物をたくさん入れてみたり、食べやすいように小さいサイズにしたり、見た目をかわいく盛り付けたり、様々な工夫をしている方も多くいられました。
子どものことを考え工夫しながらご飯を作ることはとっても素晴らしいことですが、中には菓子パンやゼリーをメインで食べているお子さんもおられました。
その食事を続けていくと、これからの成長段階で大きく関わってきます。
子どもにとってご飯を食べることは栄養を取り成長すること以外にも大事なことがあります。それは噛む力です。
よく噛んで食べることで、あごに力が付き、活舌や口の周りの筋肉が鍛えられて、口をはっきり開けてきれいに発音できるようになります。
食べやすかったり子どもが好んでいるために柔らかいものをずっと与えていると、言語に支障が出てきます。
また、よくかんで味わうことで、食べ物本来の味がよくわかり、味覚が発達したり、噛むことによって刺激が脳細胞のはたらきを活発化させ、子どもの知育を育みます。
食事に関しては子どもにとって大事な要素がたくさんあるのでできるだけいろいろな食べ物に挑戦してみてください。
少し大きくなってくると、早く食べることに満足する子どももでてきます。
園では、早く食べることを友達と競い合ったりする姿がみられましたが、こちらもよろしくありません。
しっかり噛んで食べていないという事なので、早いことがすごいのではなく、残さずに間食できることがすごいということを教えてあげましょう。
まとめ
子どもにとってたくさんの素材の味を経験させることはとても大切です。濃い味ばかりではなく、和食のような素材を生かした味付けの食材にもチャレンジしてください!
そして、食べずに口から出したからといって、嫌いと判断するのはやめましょう。嫌いだと決め付けてしまい食卓に出さなくなってしまうと味覚の幅が狭まってしまいます。
いつもは食べていたものを突然食べなくなることもあります、その反対で、今まで食べていなかったものをいつの間にか食べる事が出来るようになっていることもます。
実際に様々な食材に触れ食べるこを繰り返しながら、味覚の幅は広がっていきます。