子どもの「爪噛み」や「指しゃぶり」はなんでするの?その原因と対策を保育士が伝授〜

2022.12.15

 

子どもの「爪噛み」や「指しゃぶり」はなんでするの?その原因と対策を保育士が伝授〜

そもそも「爪噛み」「指しゃぶり」とは?

保育士として働いている中で「わが子が『爪噛み』『指しゃぶり』をするんだけど…」という悩みを抱える保護者の方をよく聞きます。

いきなり始まったパターン、いつの間にかしていたけど年齢とともに最近特に気になってきた…など理由はさまざまです。

 

そもそも『爪噛み』や『指しゃぶり』とはなんなのでしょうか。

 

『指しゃぶり』に関しては赤ちゃんのころにほぼ全員が経験するものです。

原因としては精神的な安定のためだと言われています。たとえば『眠たいとき』『寂しいとき』『なんとなく退屈なとき』など、子どもによって理由はさまざまです。

つまり、安心感を求めて無意識に行う行動なので特に悪いことではありません。

しかしそれも赤ちゃん、乳児期の間の話です。

幼児期(3歳ごろから)になっても続いているようであれば、やめられる方向へと促すのが好ましいでしょう。

 

よく指しゃぶりをずっとしていると「出っ歯になる」「歯並びが悪くなる」と言われますが、小児科医も述べているように実際に起こりえるのです。

 

”指しゃぶりとは、指を上の歯の裏側にある「口蓋(こうがい)」という部分に押し付けるしぐさのことです。チューチューと指を吸うことで口の中の圧力が高まるので、長期間にわたると歯並びに影響を及ぼすことがあります。

 

具体的には、指を吸う力によって上あごの歯列が狭くなる「歯列狭窄(しれつきょうさく)」になり、上あごと下あごのかみ合わせがずれて、上あごの前歯が前に出てくる「上顎前突(じょうがくぜんとつ)・出っ歯」や、上下の前歯がかみ合わない「開咬(かいこう)」になることがあります。

 

これらの状態は不正咬合(ふせいこうごう)といって、小児歯科での矯正治療が必要になります。”

引用:【小児歯科医監修】子どもの指しゃぶりと歯並びの関係は?

 

また、あちこち触った手をそのまま口の中に入れているので、口の中に雑菌が入ることにもなります。さまざまな病気に感染することも考えられるので、やめた方がいいですよね。

 

『爪噛み』は、安心を求めるとは反対の意味で行われることが多い行為です。

『ストレス』『不安』『緊張』などが主な原因として挙げられています。

こちらも同じく雑菌だらけの指を口へと入れてしまう行為なので、何かの感染症に罹ってもおかしくありません。

どうしてしてしまうの?その原因とは

『指しゃぶり』に関しては『安心感』を求め、乳児期によく見られるものだとお伝えしましたが、『爪噛み』は年齢に関係なく大人になってもやめられない人はたくさんいます。

 

一体、なぜなのでしょうか?

主に以下の原因が考えられています。

ストレスや緊張

イライラしたり何かストレスを感じると、私たち大人であればさまざまな発散方法がありますよね。買い物をしたり、友だちとひたすら話をしたり…しかし子どもはどうでしょうか。

 

ストレスを感じると泣いて発散する子どももいます。

主に爪噛みは言葉が話せるようになり、会話が成立する3歳ごろから見られます。

強いストレスや緊張が本人にかかることで、言いようのない気持ちのぶつけ方がわからず結果的に自分の手を見て不意に爪を噛んでしまうのです。

 

環境の変化や不安

突然の引っ越しや、保育園などの入園や転園、きょうだいが産まれたなど、子どもは環境の変化をとても敏感に感じ取ります。

 

大人の私たちでも、新しい職場に行くとはじめは不安でたまらないですよね。

子どもも同じで、今までと違った環境の変化から不安を感じ、爪噛みが始まることもよくあります。

緊張や不安、ストレス以外に考えられる原因として『癖』があります。

何気なく口に手を持っていき、そのまま爪を噛んだことで気づいたら習慣化してしまい、特に手持ち無沙汰になると行ってしまいがちです。

 

私も20歳ごろまで爪噛みをやめられませんでした。

原因はおそらく幼少期のストレスです。

いつから噛んでいたのかは覚えていませんが、爪噛みが見つかると、よく叱られていたことは覚えています。

小学校1年生ごろまでは足の爪も噛んでいました。足は物理的に口から離れているからか、不思議とそのころには自然とやめることができました。

 

長年爪を噛んでいると、当たり前ですが爪切りを使用した記憶もなく爪の形は変形し、ピンク色の面積が他の人よりも少ないです。

 

それが成人した頃から急に「恥ずかしい」と思うようになり、とても苦労しましたが強い意志を持つことでやめられました。しかし、今でも強い緊張や不安、ストレスを感じると無意識に爪をかじろうとする自分がいます。

 

また、爪噛みだけに留まらず、私の場合は甘皮まで剥いてしまいます。出血するとわかっていても「剥いてしまいたい!」という衝動が抑えられないのです。

こういった人も一定数存在するのが実情です。

 

幼少期についた癖はなかなかやめられないのが原因のひとつではないでしょうか。

「爪噛み」や「指しゃぶり」はやめさせるべき?

では、『爪噛み』や『指しゃぶり』はやめさせるべきなのでしょうか。

 

もちろんやめられるなら、やめた方がいいです。

ただ、やみくもに「やめなさい!」と言ったところで、悪化させてしまう可能性が高いです。

叱ることでさらに爪噛みや指しゃぶりを意識してしまい、気になり出すと余計にやめられなくなってしまうのです。「叱られる」と頭では理解していても衝動は止まらない、叱られてさらにストレスが溜まってしまう…と悪循環に陥ってしまいます。

 

特に指しゃぶりに関しては、精神的な安定を求めて行う行為なので、子ども自身がその行為で落ち着くのであれば、無理にやめさせようとせずにそのまま見守っていてもかまいません。いつか自然とやめられるでしょう。

万が一何か不安などを抱えているようであれば、何が原因なのかを考えたり、それとなく聞き出してみましょう。

 

ちなみに、指しゃぶりをやめないからといって代わりに『おしゃぶり』を咥えさせることはやめましょう。結局指しゃぶりと同じことをしているので、歯並びや出っ歯の原因にもつながります。

効果的な防止策、声かけ

『爪噛み』や『指しゃぶり』をやめられるようにするには、どうすればいいのでしょうか?

 

保育士として行える対策としては、行為を見つけたときにあからさまに咎めるのではなく、おもちゃや、その子どもが興味を持つものへと声かけをし、誘導することで爪や指から気を紛らわすようにしています。

 

たとえば、おままごとが大好きな子どもの場合「〇〇ちゃん、くん〜!こっちにおままごとあるよー!先生、〇〇ちゃん、くんの作ったご飯食べたいなあ〜」などと声かけをして、意識を手から離すよう促します。

 

おうちでできる対策としては、上記のように声かけからの誘導ももちろん効果的ですが、他にも防止策として自宅でできる対策をいくつかお伝えします。

  • 爪を短く切る

当たり前ですが、爪は伸びてきたら切りましょう。特に保育園などに通っているのであれば、爪が伸びていることでお友だちを誤って傷つけてしまう可能性もあります。

 

  • マニュキュアを塗る

爪にマニキュアでコーティングをすることで、視覚的に「噛んじゃだめなんだ」と理解できます。また、爪噛み防止専用の苦味のあるマニキュアも効果的です。

 

  • 爪噛みや指しゃぶりの癖を別のものに置き換える

手持ち無沙汰になってしまったりするのを防ぐためにも、手で握れるサイズのボールを渡すなどして爪や指からの気を逸らします。

 

  • 何がきっかけで噛むのか突き止める

爪噛みや指しゃぶりの原因やきっかけは何だろう?と考え、そのきっかけがわかれば、パターンもわかり、別のことへ意識を持っていきやすいのではないでしょうか。

 

  • 少しずつやめられるように促す

一度に強引にやめさせるのは不可能です。むしろそれが原因でストレスが溜まり、悪化してしまうことがあります。ですので、一度にやめさせようとするのではなく、5回に1回などと回数を決めながら、少しずつやめられるように促していきましょう。

 

これらの対策をこまめに意識して行うことで、少しずつ子どもの意識もいつしか手から離れていくのではないでしょうか。

 

何を行ってもうまくいかない場合は、精神的なバランスが取れていない可能性も考えられます。一度病院で相談するか、病院は勇気が出ないという方は、お住まいの自治体の保健師さんに相談してみるのもひとつの方法です。

まとめ

今回は『爪噛み』と『指しゃぶり』について解説しました。

 

指しゃぶりに関しては安心感を得るための行為なので、あまり神経質になる必要はありません。

しかし、爪噛みに関してはストレスや緊張、不安からくる行為がほとんどです。

 

私自身が爪噛みの経験者として言えることは、過敏に「やめなさい!」と叱らないことです。本人も頭では「やってはいけないこと」と認識しているのです。

それでも衝動が抑えられないので、そこにさらに追い打ちをかけるように叱られると、尚更イライラや緊張、叱られた不安から悪化してしまうのです。

 

だからといって放置するのではなく、『意識を別のところへ持っていく』という考えを持って接してみてください。

 

子どもの意識が変われば少しずつにはなりますが、自然と手を口元へ持っていく回数が減っていくのではないでしょうか。

 

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